XY環境初パーティ

お久しぶりです。BW2環境はカントーカップ意外の記事は掲載していないので、オフの対戦記録はBW振りになるでしょうか。実に2年振りの記事になります。
さて、ポケモンXYが発売して早くも3ヶ月が過ぎようとしていますが、この3ヶ月もの間に環境が少しずつ出来上がってきて、更に対策必須ポケモンまで出てくるのは環境及び情報が進む早さを実感させられますね。
僕も新しいポケモンを育成してはちょくちょくレーティングバトルやフリーバトルに地道に挑戦していましたが、ポケムーバー解禁前に「XY初期環境のパーティ」を一つ作成しておきたいと思い構築を一つ手掛けてみました。
今回のパーティは一橋大学ポケモンサークル主催の「ばしオフ」でも使用したので、BVと簡単なログも後で掲載したいと思います。


それではパーティ紹介です。



【XY初期環境 ライト風スタンダート構築】


               



種族名 技1 技2 技3 技4 持ち物 備考
ロトム ボルトチェンジ オーバーヒート めざめるパワー(こおり) でんじは オボンのみ ヒートフォルム
]ハッサム バレットパンチ とんぼがえり どくどく はねやすめ ゴツゴツメット テクニシャン
マリルリ アクアジェット たきのぼり じゃれつく ばかぢから こだわりハチマキ かわいい
ガブリアス げきりん じしん がんせきふうじ つるぎのまい きあいのタスキ さめはだ
フシギバナ ギガドレイン めざめるパワー(ほのお) ヘドロばくだん こうごうせい フシギバナイト
ゲンガー シャドーボール ヘドロばくだん かなしばり みがわり ゲンガナイト

【パーティ概要】
XY初期環境ではまだ環境が整っておらず、対策したいポケモンも特に思いつかない段階でした。そこでまずは使いたいポケモンから使い始めるのが良いと考え、前述した通り色々なポケモンを育てて対戦を行うことにしました。
新しいポケモンや戦術等を含め色々な試行錯誤を行った結果、単体性能の高さが秀でていた「マリルリ」と「フシギバナ」をベースにした構築を組もうと考え今回の構築に至りました。

パーティ構築ですが、まずマリルリフシギバナはお互いの相性を補完しているわけではないため、マリルリフシギバナの苦手ポケモンへの対応ができる「ヒートロトム」の採用を決定します。
ウォッシュロトムではない理由についてはヒートロトムの項に詳細を載せるのでそちらを参照して下さい。)
次に全体的に足りていない岩耐性、及び速度と突破力を高めるために「ガブリアス」の採用も決定。
ガブリアス」を入れることにより若干ではありますがファイアロー、ガルーラ、バンギラスに圧力を掛けることもでき、ヒートロトムフシギバナの行動を広げることが相対的に容易になります。
さて、ここまで4匹では「エスパー耐性」「ドラゴン耐性」「ノーマル耐性」が乏しく、5匹目には鋼タイプの採用を検討したいところです。候補としては特殊エスパー技に対して耐性があり、かつエスパータイプに打点があるギルガルドハッサム。または同じ草枠ですが「ナットレイ」等も挙げられるでしょう。今回は更に条件として〈先制技持ち〉かつ〈あく、ゴーストで弱点を取られない〉という点を重視し、「ハッサム」の採用を決定しました。
ここまでパーティ全体の素早さが遅く、このままでは相手の高速高火力のポケモンに対抗するのが非常に難しいです。また「ラッキー+エアームド」のような所謂受けループよりの構築に強いポケモンも欲しいところ。そこでガブリアスより速くてかつ受けループを1匹で相手できるポケモンとして、最後の1匹には「ゲンガー」の採用を決定しました。



次は各ポケモンの個別解説に移ります。


【個別解説】(ポケモン採用順に)


マリルリ
【技】たきのぼり アクアジェット じゃれつく ばかぢから
【性格】いじっぱり
【持ち物】こだわりハチマキ
【実数値】201-112-101-xx-105-73
【調整】[こうげき]全振り
     [すばやさ]ミラー意識で+3
     [HPぼうぎょとくぼう]余り

ステータスに関しては特筆すべきこともないため詳細は省きます。
技には基本技の3種類。そして「ナットレイ」と「ガルーラ」を一撃で倒すために「ばかぢから」を採用しました。
初手もしくは後出しからの牽制が主な立ち回りとなるので、持ち物に相手に負担を与えることを重視して”こだわりハチマキ”を採用。


マリルリ」は耐性を活かした後出しからの「じゃれつく」が非常に強力で、大体の低耐久のポケモンなら1発〜2発。「じゃれつく」を半減できても耐性のないポケモンはほぼ2発で倒してしまうことができます。
耐久の高い「ヤドラン」でさえマリルリのじゃれつくを後出しから受けることはほぼ不可能で、一旦有利な状況を生み出してしまえば相手に大きな負担を残すことが可能です。
この立ち回りはHGSS世代に猛威を奮った「”こだわりメガネ”ボーマンダ」に近いものと考えていますが、「ボーマンダ」と違って「りゅうせいぐん」でCが下がるデメリットもないため技外し意外のリスクがほぼありません。
更に元々の耐久ステータスの高さや4倍弱点がない事なども大きなアドバンテージとなっており、相手の攻撃を強引に耐えて反撃から1対確実に倒してしまう動きも可能だったりと、特筆して弱いところが見受けられないように思えました。
またマリルリはHPが瀕死に近い状況でも、終盤から高火力の「アクアジェット」で全抜きを狙うことができます。この要素もマリルリの強さを語る上では避けて通れないでしょう。


強いて弱いところを挙げるとするなら「じゃれつく」に頼りがちになるため大事なところで技を外してしまう点くらいでしょうか。
それを考慮したとしても採用するメリットが技使用のデメリットを完全に上回っています。個人的に「マリルリ」は「メガフシギバナ」と並んでXY初期で信頼度のおけるポケモンとしてかなり評価が高いです。



フシギバナ
【技】ギガドレイン ヘドロばくだん めざめるパワー(ほのお) こうごうせい
【持ち物】フシギバナイト
【性格】ひかえめ
【”進化前”実数値】187-xx-103-151-120-114
【”進化後”実数値】187-xx-143-176-140-114
【調整】[HP]全振り
     [すばやさ]いじっぱり最速バンギラス抜き
     [とくこう]余り

耐久の高さを活かすべくHPに全振り。すばやさを「ロトム」「バンギラス」「ユキノオー」、及びミラー意識で伸ばせるところまで伸ばし、余りを全てとくこうに配分。主にメガ進化を前提で使用したかったため、持ち物には”フシギバナイト”を持たせました。
他の努力値分配案として、ぼうぎょに降ることで「ガブリアス」の「つるぎのまいげきりん」を耐えることもできますが、今回はパーティ全体をガブリアスに強くしたので「フシギバナ」の対「ガブリアス」性能は不要と判断し、攻撃範囲を活かせるように火力を底上げしました。またとくぼう面を伸ばすことで「ヌメルゴン」の「こだわりメガネ+りゅうのはどう」を2発耐えることも可能となりますが、そうするととくぼうに多くの努力値を割くことになり「メガフシギバナ」の火力が下がってしまうのが嫌だったので、「こだわりメガネ」持ちが相手だった場合は「マリルリ」もしくは「ハッサム」を後出しして対処することにします。
技は基本攻撃技となる3種類の攻撃技を採用。「めざめるパワー」は「ギルガルド」や「ハッサム」に隙を見せないように採用。残り一つの枠には「ヌメルゴン」や「ギルガルド」をタイマンで相手にするため、また受け出しする回数の多さを考慮して「こうごうせい」を入れることにしました。(余談ですが、天候が永続でなくなった今作では「こうごうせい」や「つきのひかり」のような天候依存の回復技も非常に使いやすくなっているように感じます。)


「メガフシギバナ」は進化することで大幅に上がる耐久と”弱点2つ打ち消すアホみたいな特性”のおかげで耐性が非常に強くなっており、生半可な攻撃では突破することすら困難です。ホントに草タイプかこいつ。
しかも特攻も無駄なく上昇してるので生半可に受けようとするとタイプ一致攻撃で大ダメージを貰ってしまうという始末。
感覚で言うなら「総合耐久が少し落ちた代わりに火力が大幅に上がったクレセリア」みたいなものでしょう。火力と耐性の高さが類を見ないレベルで非常に信頼の置けるポケモンだと感じました。
流行りのメガ進化ポケモンの中では「ガルーラ」と並び、頭一つ抜けた性能を持っているポケモンと言っても過言ではないでしょう。
ただ普通に運用するにはマリルリ程簡単にはいかず、メガ進化してない状態で後出しすると想定外のダメージを受けてしまったりするのでメガ進化のタイミングを良く考えなくてはなりません。(メガ進化するターンは確定で居座らなくてはならないので、交換読み交換等の立ち回りもできない)
立ち回りやパーティ構成をしっかりしておかないと簡単に突破されかねないため、扱いには常に慎重になる必要があるでしょう。



ロトム(ヒート)
【技】ボルトチェンジ オーバーヒート めざめるパワー(こおり) でんじは
【持ち物】オボンのみ
【性格】ずぶとい
【実数値】157-xx-154-144-127-106
【調整】[HP]全振り
     [とくこう]後述する”ハッサムバレットパンチ”と合わせて無振り「ガブリアス」を「めざめるパワー」で最低乱数意外確定で落とせるラインまで配分
     [ぼうぎょ]余り


マリルリ」及び「フシギバナ」が苦手とする「ファイアロー」及び「クチート」に対して安定して交換できるポケモンが欲しかったため、ぼうぎょ力を重視した配分に。また「めざめるパワー」を採用したかった(理由は後述)のでガブリアスと十分戦えるように特攻にも多めに配分しています。
フォルムはウォッシュフォルムとの2択でしたが、”クチートを受ける”こと、”とんぼがえりを半減ダメに抑える”こと、”マリルリと攻撃範囲が被らないこと”を考慮した結果、ウォッシュよりもヒートが適任と判断しヒートフォルムの採用を決定しました。ヒートロトムが苦手とするみずポケモンフシギバナマリルリで対応します。
技には安定したダメージソースとなる「ボルトチェンジ」「オーバーヒート」の他に、パーティ全体の素早さ確保、及び対ゲンガーへの勝率上げやフシギバナマリルリの行動サポートができる「でんじは」を採用。


一番重要な「めざめるパワー」ですが、これはガブリアスをタイマンで倒すためのものではありません。「ガブリアス」とのタイマンで使用してもHPバー黄色ラインで耐えられてしまい、その上先手から繰り出される岩技によって大ダメージを受けてしまいます。ではなぜ「めざめるパワー」を採用したのか。それは如何なる時にも「ガブリアス」に「つるぎのまい」を使わせないようにするためです。「つるぎのまい」を無償で使用された場合、低速ポケモンが多いこちらのパーティは最低1体以上に大きなダメージを負うこととなってしまうため、パーティ全体で起点を作らせないようにする必要がありました。そこで起点にされやすい「ヒートロトム」でまずガブリアスのHPを大幅に削り、次のターン以降相手の「げきりん」を誘いつつ「げきりん」を無効化できるorダメージを抑えられる「マリルリ」or「ハッサム」に交代し、先制技で「ガブリアス」を倒す。という立ち回りで、厄介な「ガブリアス」の対策を可能にしています。仮に「ガブリアス」が引っ込んでしまい「ガブリアス」を倒せなくとも、「つるぎのまい」を使用した効果を無力化させることができるため実質的に「つるぎのまい」を封じていることになります。
他の対策として、「つるぎのまい」を無力化するなら「おにび」で良いという意見を聞きますが、実際はそうではありません。「ロトム」自身が「ガブリアス」に有効打を全く持てない場合、「おにび」使用から交代のターンまでで結局「つるぎのまい」を2回使わせてしまうことになるので、「おにび」による攻撃力低下はほとんど意味がありません。また「おにび」自体「みがわり」を使用されるだけで簡単に崩れてしまうため、やはり対策する上で「ロトム」が「ガブリアス」に対して何らかの打点を持つことは「ガブリアス」の上で対策最重要事項となってくるでしょう
(ちなみに「ウォッシュロトム」の場合は「おにび」+「ハイドロポンプ」でガブリアスを削ることが可能ですが、こちらは命中が著しく不安定なため綺麗な対策とは言い難いです。)


流行りの「ファイアロー」を(受け出し回数は限られますが)後出しからストップできるポケモンとして、発売当初から大きく注目していたポケモンの1匹です。「ロトム」自体攻撃範囲の広さが優秀なポケモンなので、大抵のポケモンに等倍以上のダメージを与えることができる点は非常に頼りがいがあります。また「マリルリ」の毒弱点意外を完全に受けきることができる上に「でんじは」によるサポートも行えるため、マリルリのパートナーとして非常に優秀なポケモンでもあります。



ガブリアス
【技】げきりん じしん がんせきふうじ つるぎのまい
【持ち物】きあいのタスキ
【性格】ようき
【実数値】184-182-115-xx-105-169
【調整】[こうげき][すばやさ]全振り
     [HP]あまり


調整、技構成に関して、今更何か言うこともありません。
3つ目の攻撃技に関してですが、命中と追加効果が非常に優秀な「がんせきふうじ」を採用しています。安定したダメージソースとして優秀であり、「ガブリアス」より速く耐久が低いポケモンには「がんせきふうじ」⇒「じしんorげきりん」で勝つことができるため単体でも他の技とのシナジーがあります。仮想敵となる「トゲキッス」を倒すのには3発かかってしまいますが、「ストーンエッジ」を毎試合2回連続で当てる自信もなく、どちらを採用しても結局は同じことだと判断。それならすばやさダウンにより後続のサポートも兼ねられるこちらのほうが魅力があると考えました。(「ストーンエッジ」を採用しない理由として、「ファイアロー」等当てるのが1発でいいポケモンを倒すのに毎回命中80の技を使うのも嫌という理由もあります。)

持ち物は積みポケの猛攻をストップさせるために「きあいのタスキ」を採用。「ロトム」の「でんじは」サポートを活かせる「つるぎのまい」を採用したかったというのも理由にあたります。
ただ岩技に対して交換出しし辛い点や、スカーフ○○警戒等で「つるぎのまい」を使えないことを考慮すると、交換出しデメリットの少ない「こだわりスカーフ」や「ヤチェのみ」を持たせても良かったような気もします。



ハッサム
【技】バレットパンチ とんぼがえり どくどく はねやすめ
【持ち物】ゴツゴツメット
【性格】いじっぱり
【実数値】177-166-130-xx-122-86
【調整】[HP]全振り
    [こうげき]「ガブリアス」への「バレットパンチ」ダメージをあげるために少し配分
    [とくぼう]性格下補正無振り「ガルーラ」のだいもんじ耐え
    [ぼうぎょ]余り


後出しから戦うことを想定し、ほぼ全ての努力値を耐久に配分。それに合わせて”ゴツゴツメット”を持たせ物理ポケモンに少しでも多くの負担を与えるようにしています。
このポケモンも今更何か言うことはありません。「つるぎのまい」ではなく「どくどく」を採用したのは交換から出てくる「ファイアロー」を削る手段が欲しかったのと、「つるぎのまい」を使用したところで「ファイアロー」や「ギルガルド」が出てきたら何もできないから使用する意味が薄いと考えたためです。(実際に「ヤドラン」や「ヒートロトム」を崩すのに役に立ちました。)



ゲンガー
【技】シャドーボール ヘドロばくだん かなしばり みがわり
【持ち物】ゲンガナイト
【性格】おくびょう
【”進化前”実数値】157-xx-85-168-100-170
【”進化後”実数値】157-xx-100-208-115-192
【調整】[とくこう](メガ進化した状態で)「シャドーボール」で「ガブリアス」を2発 「ヘドロばくだん」で「メガガルーラ」を2発
     [すばやさ](メガ進化してない状態で)最速ガブリアス抜き
     [HP]あまり


持ち物は本来であれば”きあいのタスキ”を持たせておきたいところですが、今回は「ガブリアス」に持たせておきたかったので採用を見送り。代わりに以前から使ってみたかった”ゲンガナイト”を持たせてメガ進化前提で戦う構成にしました。
きあいのタスキ”を持たせてない関係上相手の「ゲンガー」や「ファイアロー」にタイマンから勝つことが不可能なので、すばやさを最速「ガブリアス」+1まで落としました。とくこうも最低限必要な火力まで抑え、余りを全て耐久に配分しています。
火力や速度を一定ラインまで落とすことのデメリットをそこまで感じず、むしろメガ進化した後の耐久の高さが結構いい感じに設定されているので、実験的に耐久にも配分した個体を使用することにしました。
技構成は基本技2つとに加え、攻撃技が「ふいうち」のみの「ガルーラ」を完封できる「みがわり」と「かなしばり」に決定。「みがわり+かなしばり」は「かげふみ」と大きなシナジーを持っており、”こだわりアイテム持ち”ポケモンに対して死に出しから「かなしばり」を使うことで「みがわり」を残したまま相手ポケモン1匹を潰すことができます。また「バンギラス」に対しても初見でなら「みがわり+かなしばり」で「おいうち」を封じることができ、1ターン交換の猶予が生まれるため、後続のポケモンに対してぶつけるチャンスを作り出すことができ非常に強力です。


「ゲンガー」は”メガ進化”することが前提の「ガルーラ」や「フシギバナ」と違い”メガ進化”することで特性が変わってしまうため、「ゲンガー」を軸にした場合と「メガゲンガー」を軸にした場合の2つの立ち回りを用意しておく必要があります。例えば初手で容易に”メガ進化”を選択してしまうと、相手ポケモンの「じしん」の一貫が生まれてしまい立ち回りが困難になることがあります。故に状況に応じて”メガ進化”のタイミングを変える必要があるため、他の”メガ進化”ポケモンと比べると立ち回りが少々困難なポケモンです。
しかし現状対メガフシギバナへのタイマン性能は群を抜いている(メガ進化をしてかつ「かげふみ」を発動させている、という条件が発動している場合の話ですが)ため、使い方次第では今後大きく化ける可能性があるポケモンではないでしょうか。



【選出の組み合わせ一例】
(1)ロトム展開型選出
cf.ロトムマリルリガブリアス
  ロトムマリルリフシギバナ


(2)受け回し重視選出
cf. ロトムハッサムガブリアス
   ロトムハッサムマリルリ
   ロトムハッサムゲンガー


(3)攻め重視選出
cf.マリルリゲンガー+ガブリアス
  マリルリフシギバナガブリアス



スタンダート寄りな構築なのでどんな組み合わせでも選出ができるようにしていますが、”何から展開するか”で立ち回りが大きく変わってくるのが特徴的です。今回は主な選出を大きく3種類に括って、それぞれ分類してみました。

(1)はロトムで苦手ポケモンを誘い出し、でんじはorボルトチェンジから展開する形です。ロトムは耐性が非常に優秀で強いキャラにはとことん強いので、展開作りをするキャラとしては非常に優秀です。そこからガブリアスバンギラス等を誘い出し後続で起点にすることで、相手に大きな負担を与えることが主な勝利パターンとなります。ロトムが苦手とするポケモンが大抵の場合ガブリアスマリルリで対処できるキャラなので「ロトムマリルリ」or「ロトムガブリアス」のセットで選出することが多いです。


(2)は第5世代でよく見かけたロトムハッサム軸の構成です。(1)と若干似ていますが、(1)とは違いロトムからの展開とは別にハッサムによる展開も狙えます。ロトムの「ボルトチェンジ」やハッサムの「とんぼがえり」から有利対面を作り出し、3枚目のガブリアスマリルリで展開していく形が勝利パターンとなります。


(3)はロトムハッサムが選出し辛い場合の選出となります。ロトムがいない時点でうけまわしが大分辛い時には受けを完全に捨ててパワーで押し切るようにしています。若干強引な選出ではありますが、この選出が効果的な試合も多くあるため一つの選出パターンとして分類しました。


全体を見てみるとロトムが主軸となっているパーティなような気もします。実際対戦においてもロトム+何かの選出が大半を占めているため、スタンダートというよりはロトム展開型のパーティ寄りになっているのかもしれません。
なぜここまでロトム寄りな選出が多いか。それは環境的にロトムが有利に動ける相手が多いからでしょう。現環境で猛威を奮っているファイアローギルガルドガブリアス等を相手にできるスペックを持っているため初手に置きやすく、展開作りも上手にできるため、パーティの軸となるのは自然なことなのかもしれません。(現段階では対戦数が少なく、ロトムが完全に軸になっているといったことは言えませんが)



【選出においての注意点】
これはメガ進化ポケモンを2匹以上パーティに入れている人の話になりますが、選出の際誤って”メガ進化ポケモン”を2匹同時選出してしまい、結果立ち回りが狂ってしまった。なんてことはよくある話かと思います。
例を挙げると、フシギバナとガルーラを同時選出してしまい片方でメガ進化を発動させてしまったが故に、もう片方がメガ進化できなくなってしまった。という感じです。
この場合に限る話ではないのですが、「ガルーラ」と「フシギバナ」は両方共に”メガ進化”後のスペックに頼るポケモンであるため、片方が”メガ進化”できないというのは非常に致命的です。
そうならないように構築の段階でメガストーンを2匹以上に持たせる場合、どういう選出をしてしまうと事故が起こるか。そうならないためにはどういう構築にしたら良いかといった具合に、選出パターンと立ち回りを予めよく考えておくことが大切になるでしょう。


実際、僕は今回のパーティでは「ゲンガー+フシギバナ」という選出は極力行わないように心がけていました。
耐性も有利ポケモンも違う2匹ですが同時選出をしてしまうことで発生する弊害は大きなものです。
幸いゲンガー及びフシギバナの足りていない耐性は他のポケモンで代用が効くため、別の選出を行なうことで対処を可能にしています。


フシギバナを選出する場合】
・地面とノーマルの一貫性を生ませたくない・・・
ロトムハッサムを選出すれば代用可能



ゲンガーを選出する場合】
・水と電気が受かるポケモンが欲しい・・・
マリルリロトムor]ガブリアスを選出すれば代用可能


このように他のポケモンでも代用を利かせておくことで、メガ進化ポケモンの同時選出を行う事故を極力減らすことはパーティ構築の際の大切な事項となるのではないでしょうか。



【苦手なポケモン・パーティ等】
パーティ全体を通して岩技とエスパー技がかなり辛いです。これらの技を受けるためにハッサムガブリアスをそれぞれ選出したいとことですが、そういう場合はほとんどの場合ハッサムガブリアスをそれぞれ無力化してくるポケモンもセットで選出されてくるので、受けに回る際には注意して立ち回らなければなりません。
ゴースト技に関しては無効化どころか半減できるポケモンすらいないので苦戦必須です。今のところ猛威を奮っているのがゲンガーやギルガルドのような特殊ゴーストくらいなのでヒートロトムの「でんじは」「オーバーヒート」でそれぞれ対処していますが、相手が「みがわり」を使ってきた場合にかなり苦戦させられることとなるため別の対策も用意しておく必要があるでしょう。
また、あるポケモンの攻撃を受けられるポケモンがいたとして、そのポケモンを更に無力化してくるポケモンがいるとこちらの立ち回りが制限され非常に苦戦を強いられることとなります。
(cf.
ファイアローを受けるためにロトムを出したものの、後続にはランターンがいてロトムを完封されてしまった)


このような「スタンダート」なパーティは所謂「コンボ」パーティとは違い”立ち回りによって勝ちパターンを模索していくパーティ”なので、苦手な構成のポケモンと対峙する場合は相手に最善手を取られないように立ち回ることを心がけるしかありません。
それが「スタンダート」パーティの難しいところでもあり、また楽しいところでもあります。



以上で解説終了です。
ばしオフのバトルログについては後日掲載させていただきます。