カントーカップ構築 スターミー軸ちいさくなるパーティ


久しぶりの更新です。実に1年と81日振り。

今回は22日から開催される「カントーカップ」についてのお話です。


カントーカップについて
カントーカップの主な特徴として


 ・ドラゴンタイプがカイリューを除いて存在しない
  ⇒本来ドラゴンで半減できるはずの技が半減できないので、でんき、みず、ほのお技の通りが良い


 ・はがねタイプがレアコイルを除いて存在しない
  ⇒ドラゴン技を止める手段がなく、エスパーとノーマルの通りが非常に良い


 ・あくタイプが存在しない
  ⇒エスパー技とゴースト技の通りが良い


この辺りが挙げられます。

基本中の基本に思えますが、この条件から派生する特徴の考察は結構重要に思えました。
特にエスパータイプ。このルールでエスパー技を半減できるのがエスパータイプしか存在しないというのはとても印象的です。
このルールに関して、エスパーとドラゴン技に対して受けに回るのはとても苦労をしそうな印象を受けました。


他にもカイリュー強すぎとかカイリューとまらないとかカイリューに3タテされるとか色々ありますが
色々試行錯誤してひとまずパーティが完成したので、今回は1つの構築の紹介だけしておきます。





ポケモン 技1 技2 技3 技4 特性 持ち物
レアコイル だいばくはつ リフレクター ひかりのかべ でんじは がんじょう ひかりのねんど
スターミー サイコキネシス ねっとう ちいさくなる みがわり しぜんかいふく たべのこし
ゲンガー こごえるかぜ みちづれ くろいまなざし ちょうはつ ふゆう きあいのタスキ
パルツェン つららばり ロックブラスト こおりのつぶて からをやぶる スキルリンク ソクノのみ
サンダース 10まんボルト めざめるパワー(地) あくび みがわり ちくでん ラムのみ
カビゴン のしかかり れいとうパンチ すてみタックル ねごと あついしぼう こだわりハチマキ

■基本コンセプト
壁サポートからスターミーで小さくなるをフル積みして、そのまま全抜きを狙うパーティです。
スターミーを全抜き要因で採用するメリットとして
メタモンで止められない(スターミー対メタモンのPP戦ではまず負けない上、相手には回復手段がない)
・ゲンガー等の初見殺しに巻き込まれない
カイリューパルシェンでの積み合いを懸念しなくても良い
といったものがあります。


壁サポートのできるレアコイルとスターミーを基本選出として、残り4匹はレアコイル+スターミーで対応できないポケモンへの穴埋めとして採用しました。
スターミーの全抜きが厳しい場合でも、ノーマル技の通りを活かして殴り勝つ「鉢巻カビ+α」といった選出ができ、選出バランスが偏り過ぎないようにしてあります。



では各ポケモンの詳細です。






 レアコイル
【実数値】 157-80-115-xx-91-134
努力値】 H252 D4 S252
    耐久力と落としたくない気持ちと最速を維持したい気持ちを両立できる正義のHS振り
【性格】  ようき


パーティの起点作りをするポケモンです。
「リフレクター」、「ひかりのかべ」はそれぞれ必要な技なので採用確定。
自主退場の手段として「だいばくはつ」も必須になるでしょう。
残り一つは割と自由ですが、今回はあくまでもサポート役なので、スターミーが積むための試行稼ぎのサポートや、カビゴンが立ち回りやすくなる「でんじは」を選びました。


基本的な選出位置は初手。もしくは2番目。
初手で出してそのままスターミーに繋ぐと相手の3匹全員をスターミーで相手することになり少々負担が重くなってしまうので
1匹目で相手の1匹と1対1交換を狙い、2番目から展開していくといった方法がより安定するように思えます。


壁爆破要因としては珍しくこのルールで処理に困るパルシェンへのストッパーともなり得ます。
パルシェンレアコイルを1発で倒す技を持っていないので、後出しから安全に「でんじは」を決めることができます。
パルシェン側が引いてくれれば後発に「でんじは」が入り、居座れば「でんじは」がパルシェンに入ってリフに繋がる。パルに対してはかなり有利に立ち回れるでしょう。





  スターミー
【実数値】 167-xx-105-121-105-183
努力値】 H252 C4 S252
    耐久力と落としたくない気持ちと最速を維持したい気持ちを両立できる正義のHS振り
【性格】  おくびょう


パーティの主役。
序盤でも書いた通り、レアコイルのサポートから全突破を狙います。


「ちいさくなる」がまず確定で入り、事故防止のワンクッションとして使える「みがわり」を採用。
メイン攻撃わざとしては全体にダメージの通りが良い「サイコキネシス」を採用。
残りの1つですが、[やけど]の追加効果が期待できてかつPPの多い「ねっとう」を選びました。
じこさいせい」も候補にありましたが、攻撃わざが「サイコキネシス」だけではPPが足りず、相手のポケモンに殴り負けてしまうことがあるので今回は採用見送り。



残飯回復だけでHPが足りるのか心配なところですが、残飯回復の妨害をしてくるバンギラスカバルドンユキノオーはこのルールでは使用することができません。
したがって回復手段が妨害されるといったことはほとんど想定されなくなります。
HPが削れても、残りHPが42以上残っていれば「みがわり」を残すことができ、その状態から攻撃を3回避ければ永遠に「みがわり」のループにはめることができます。



本来このルールで(スカーフとイバンとつめ持ちを除いて)スターミーを先制できるのは
ダグトリオフーディン、サンダース、マルマインプテラの5匹だけです。(ペルシアン、スターミーは同速ですが、この2匹は別のポケモンで対処することが多いのであまり考慮しないことにします)

逆にこの他のポケモンはスターミーに先手をとることができないので、スターミーが常に先手でちいさくなるを使うことができます。
これはつまり・・・



○スターミーを一撃で倒せないポケモンの場合


スターミーより速いポケモン      ⇒ちいさくなるを1回以上積める
スターミーより遅いポケモン      ⇒ちいさくなるを2回以上積める


○スターミーを一撃で倒せるポケモンの場合


スターミーより速いポケモン      ⇒ちいさくなるを0回以上積める
スターミーより遅いポケモン      ⇒ちいさくなるを1回以上積める



これに壁の効果を適用するとあると積める数に+1回以上追加され、かつダグトリオとサンダース以外のスターミーより速いポケモンには「でんじは」が通るので
結果的にでんじはと壁さえ残せればサンダースとダグトリオ以外に最低2回は「ちいさくなる」を使えるということになります。


かいひりつ6段階up時の攻撃被弾率は約3割と、意外と高いようにも思えますが
「みがわり」でワンクッションを置くことによりスターミーが倒される確立は非常に低くなるので
ちいさくなるベースの構築とはいえ、ラッキーとは違いかなり安定した勝率を叩き出すことができるはずです。



天敵であるサンダースにはスターミーでは対応し切れないため、他のポケモンで対策をしていきます。





 ゲンガー
【実数値】 156-xx-80-162-95-178
努力値】 H166 C92 S252
     A182カイリキー(スカーフ)のれいとうパンチ2発耐え
【性格】  おくびょう




カビゴン、ラッキーへのスペシャリスト。
ダグトリオカイリューといった超攻撃型のパーティへの対抗手段としても重宝します。


わざ構成がかなり異質ですが、攻撃わざが「こごえるかぜ」しかありません。
基本的にはその他のわざで1対1交換を狙うポケモンなので、シャドーボールなどのメイン攻撃わざの採用は見送りました。
「みちづれ」と「ちょうはつ」はパルシェンカビゴンなど、一度積ませてしまうと手のつけられないポケモンを確実に潰すために採用。
ゲンガーより遅いポケモンの場合はくろまな+ちょうはつ+みちづれが決まりやすいため、サンダーやカビゴンなどはゲンガーで安全に処理することができます。


ラッキーに関しては・・・対ゲンガー用にサイコキネシスを覚えている場合はカモにできますが、ゲンガーを殴るわざをもっていない個体の場合、お互いジリ貧になります
HD無振りのラッキーでもこごえるかぜで倒すのに18発かかるので、ちょうはつ+くろまな+こごかぜでタマゴうみを使わせないようにして、残りのHPは他のポケモンに削ってもらって倒しましょう。


ダグトリオカイリューに関しては初手に出してこごえる風連打してるだけで大分有利に戦えます。
相手のパーティにダグトリオがいたらまず選出してあげましょう。


カイリューに関しては、ステロが撒かれていないときは後だしで十分対応できるレベルですので、カイリューの良いストッパーとなってくれるはずです。
ステロ込みでの構築の場合はゲンガーでは対応できないので、代わりにパルシェンを選出して戦います。


ちなみにユウキさんがとっても愛おしいゲンガーのイラストを書いてくださいました。
ユウキさんありがとうございます。





かわいい



  パルシェン

【実数値】 125-147-201-xx-82-118
努力値】 A148 B4 D132 S224
      ・C182ゲンガーの「シャドーボール」耐え

      ・C162サンダースの「10まんボルト」ソクノ込みで最大乱数以外耐え
      ・通常「つららばり」でゲンガーを確定1発(5回HIT)      
      ・S+2で最速ファイヤー抜き
【性格】  いじっぱり



このままではレアコイルの天敵であるスカーフカイロスに全く勝てなくなるので、対抗策として投入。
ゲンガーを選出できない場合、カイリューへの2枚目の対抗策としての役割も持っています。
わざ3つはテンプレのものを。残りは2回舞ったカイリューへの抑止力となり得る「こおりのつぶて」を採用しました。


持ち物はおうじゃのしるしと迷いましたが、ソクノの実をもたせることに。
レアコスターミーがサンダースに何もできないため、他の4匹は少なくともサンダースに対応できる型にしておきたかったというのが主な理由です。
これによりゲンガーの「10まんボルト」も耐えるようになったので、ゲンガーとのタイマンの勝率も高くなりました。


メイン火力をスターミーに依存しているため、物理の打点も確保するとなるとやはりパルシェンカイリューの採用は欠かせません。
マークが厳しい中でも、各々の役割をしっかりと果たすことができるこの2匹のスペックはこのルールにおいては圧倒的ですね。





  サンダース
【実数値】 161-xx-81-131-125-200
努力値】 H164 B4 C8 D80 S252
     サンダースのめざめるパワー確定5発(みがわりが壊れない)
     最速
【性格】  おくびょう


対サンダース、サンダー、レアコイルが絶望的なので、電気受けとして採用。
スターミーミラーになった際の対抗策としても重宝します。
すばやさを最速にし更に耐久を厚めにすることで、天敵のサンダースに対して後出しから対応できるようにしました。


メイン攻撃わざである「10まんボルト」、サンダースとレアコイルを攻撃できる「めざめるパワー(地)」は確定。
残りは毒やあくびに対抗できる「ラム+みがわり」を採用し、残り1つは「みがわり」と相性がよくパルシェンカビゴン、スターミーのサポートに繋がる「あくび」を選びました。


カイリュー対策は他で十分厚くしてあるので、めざめるパワー(氷)は不必要と判断。
一応サイドンへのダメージソースにもなるので、対電気以外で腐ることはあまりなさそうです。



また、ユウキさんにイラスト対抗して、僕もサンダースのイラストを書いてみました
これでまた自信作のイラストが増えてしまいましたね。



なんか怒ってるっぽい





  カビゴン
【実数値】 251-172-101-xx-136-51
努力値】 H126 A214 B124 D44 S4
     (A+1)A204カイリューの「げきりん」耐え
     (C+1)C177サンダーの「10まんボルト」2発耐え
     「すてみタックル」で165-105サンダー確定1発
【性格】  いじっぱり


晴れパ、バタフリー対策の高火力カビゴンです。
特殊耐久の高さを活かして、特殊草、電気、炎に対して受けに出すことも可能です。
「のろい」+カゴのみだと相手の処理速度に勝てず、弱点が重なるこのパーティではスターミー以外で積む暇もないと思ったので
催眠対策を両立できるこだわりハチマキ+「ねごと」で運用することにしました。


わざはノーマル×2+サイドン、ゲンガーに打点のある「れいとうパンチ」
はがねやゴーストが少ないからこそ実現できる大胆なわざ構成となっています。

サンダークラスのポケモンなら「すてみタックル」で1発なので、初っ端からぶっ飛ばしていくのもアリです
2発かかりそうなポケモンに対しては「のしかかり」で麻痺を狙いつつ、確実にダメージを与えていきます。


サンダースだけではカバーしきれない特殊電気への耐性も少なからず持っているので、2枚目の電気対策にもなります。
よく噂にするキュウコンフシギバナウツボット)には圧倒的な耐性を誇る上、元々ノーマルの通りが非常に良いこのルールでは
どんなときに選出しても活躍してくれることは間違いないでしょう。



■全体的に
スターミーの単体性能がおっそろしいです。
対策をしていないとあっという間に3タテが可能になるレベルなので、相手にするときは初見で詰まないように注意が必要になってくるでしょう。
ただ使う側として・・・スターミーは非常に強いポケモンですが、スターミーを選出しない際の勝ちパターンを確立しておかないとあっという間にペースを握られてしまうので
他のポケモンに合わせて勝ちパターンを練る必要がありそうです。


岩わざの通りが良く、バランスの悪いパーティに見えますが、サイドンパルシェンはそもそもレアコスターミーの起点となるので、そこまで辛い相手ではありません。むしろ出てきてくれておいしい位です。
むしろ厳しいのはサンダースorラムサンダー+サイドンorカイリキーといった組み合わせ。
カイリューがいればそこまで苦戦しない組み合わせですが、カイリューを採用していないこのパーティに関しては非常に厳しい戦いを強いられることになります。
レアコイル+スターミー以外の4匹は割と自由枠ですので、苦手な組み合わせに対応できるポケモンの採用を常に検討していく必要があるでしょう。




以上で解説終了です。
長い上に見直しの時間が多くとれなかったため非常に見辛い文章となっているかと思われます。申し訳ありません。


カントーカップは一見クセが強いルールにも思えますが、突き詰めてみるとまだまだ面白いネタが掘り起こされるとても楽しいルールだと思います。
カントーカップの登録は22日までです。僕は参加できませんが、今後オフ会等で取り上げられるルールにも思えるので、一度挑戦してみてはいかがでしょうか。


ちなみに、、、今回採用した「レアコイル」は僕のHNの元ネタにもなっているポケモンです。
レアコイルが活躍できるルールを開発してくれた人たち。本当にありがとう!!!


ではまた次の機会に。